「少女革命ウテナ」幾原邦彦&さいとうちほトークイベント@テアトル新宿に行ってきましたよ。


小比類巻太信(RINGS JAPAN)。関わった人達は全員リングスだ(強制)。
さて、幾原兄を拝みに行ってまいりました。もくしくもししもくくもしもしくしくも。



●イベ前のあれこれ
・アニメ方向はいろいろ落としてくれるのか、もはや後楽園ホール化してきてるテアトル新宿。今回は「クールアニメセレクション」ですって。
・演目は「ビューティフルドリーマー」「秒速5センチメートル」「人狼」「時をかける少女」、そして「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」などなどが5.1ch&DLPで観賞可能。それは行くわ。
・で、何作品かにはイベントあり。今更押井監督を呼んで、このうる星の話をってのはさすがにないか(笑)
・「ウテナ」で幾原監督が生登場!ってのは驚いた。そりゃあ前売り並びますよ。イベント前5日に発売&即完売みたいでした。
・スケジュールが。「TVシリーズ25話”ふたりの永遠黙示録”→イベント(30分ないくらい)→劇場版」という流れ。庵野さんもやってくれたらよかったのになあ。



●イベ前のあれこれ2
・土曜日11時開始なので、早めに会場に。眠いよ。
・会場前には結構人がいます、やっぱり。
・当日立ち見は完売だなんだと、いろいろ大変。
・物販エリアに行ったがなにもない。当然と言えば当然だが。
・しかし、「荒耶宗蓮Tシャツ」はいいのか?ありなのか?着るのか?
・180CM以上あるニルヴァーシュエウレカセブンの実機)がある。無駄にコストかけてる。「パチンコ打って劇場に行こう!」



●イベ前のあれこれ3
・立ち見整理券等々で、超満員でした。自分は空の境界をいつも見ている席にて観賞。
・明るい場内にてCMが流れる。良識的な作品(笑)方向のアニメばかり。
エウレカレントン役三瓶氏の声がちょい変わったのに気付く。あの時は20才だったから仕方ないか。
・最初の#25はTVシリーズなので、スクリーンのサイズ&カーテンがそれに合わせた形に。そこには対応しているんですね。
・いつものTVオープニングなのですが、大画面&リマスタ後なので超奇麗。客席が「うおおお!」とどよめく。
・「なぜに25話?」っと考えたけど、内容を見て把握。主要キャラが総登場していて、分かり易い回ですね。
・ゴンドラ一回目の話。劇場でこのシーンが観賞できるとはねえ。「絶対運命黙示録!」
・刀のシーンが変更後一回目なのでちょいタイミングが違う。「世界を革命する力を!」
・そんなこんなで終了。EDもいいなあ。
・イスが三つでゲストあり、というか休憩なし。はてはて。



※注 いつものレポと同様に言い回しなどは完全じゃないです。話半分で読んで下さい。「」内が発言要約です。でも卓球さんの件同様に信用しないで下さい(笑)



●その1
・司会がライターの宮昌太朗さん。っつーか彼氏の背広姿&髪かっちりなんて初めて見るわ(笑)。最初は「誰?」だった。
・司会の呼び込みで両氏登場。生幾原監督だ!年齢不詳だ!客もおおおだ!
・挨拶から。さいとうさん「Bepapasのさいとうです。こんなに来てくれて嬉しいです」監督「実はこんなに人が来てくれるとは思っていなかったんです。こんなに人がいるってことはウテナが幸せな作品だったということですね。先日療養中の川上とも子さんから連絡あって、よろしくっと。自分も好きな作品なんでこれからもよろしくお願いします」
→ああ、川上さんはそうなんですか。復帰を祈ってます。またなんかの吹替えで偶然発見できれば。
・司会「さっきの25話を見ていて、”この訳の分からない作品をなんで、なにを考えて作っていたんだ?”って思ったのですが?」
・監督「この25話の前ってのは、”黒薔薇編”ってのはあって、その時の作風が各キャラの心の内を見せていくってことだったので、内容も内に籠って行くような話だったんですね。で、25話以降は最終回に向けて”はじける!いや!はじけるんだ!!”ってのが合い言葉になって、作品的には理事長が車の上で脱ぐとか(笑)、車の上で回転するとかってになっていって」
→「もっと奥へ、もっと深く」&懺悔室エレベーターってことなんですよね。好きですよ黒薔薇は。
・さいとうさん「自分もこの作品に参加していたんですが、当時はマンガの連載もあったので、みなさんと一緒にTVの視聴者として新鮮な気持ちで見ていたんですね。で、”こんなことでいいんだろうか?”、”ああ、別の世界に行ってしまうんだな、さようなら”って思って(笑)」「もう、”マンガの世界からは別の世界に行かせてもらいます!”ってのを監督に宣言された感じで(笑)」



●その2
・司会「鳳暁生(理事長)の印象が強かったですよね。紫色の薔薇をとるなって(笑)」
・監督「あんな年をとった邪悪な印象になるなんてっと。あんな演技になったのは、自分もやってみて小杉さんの声に驚いたんですよね」さいとうさん「この配役は自分がお願いしたのに、イメージ的には青年風で若い感じを想像していたんですが」
・司会「聴いて言わなかったんですか?」監督「小杉さんが最初から明確なイメージを持っていましたんで。で、キャラが変わって行ったと」「もっと言いますと子安君があんな感じでやってましたから、”それよりさらに俺は!”って思ったんじゃないのか。二人の相乗効果で(笑)」
・司会「俺のせいじゃない!っと(笑)」監督「そうだね(笑)」
→エロいんだよなあ、小杉さんって。人間じゃないんですよね。
・さいとうさん「今となっては、味わい深いいもの、いいラスボス的なものになりましたよね」監督「普通にかっこいい人ではないですよね」
→ラスボスが存命したままってのもなあ。全員に手を出すってのは別にいいけどさ(笑)



●その3
・監督「オープニングは改めて見ると変ですよね。普通じゃないとうか。”下から王子が上がってくる”ってのは、自分でやってみたけど、結構いいんですよね。いいアニメっぽいよね(笑)」
・司会「かっこいいアニメって難しいですよね」
→かっこいいかかっこ悪いか。この二点しか存在しないのかも。面白い/つまらないではなく。
・さいとうさん「オープニングを見た時には”私のマンガがかっこよくなっていくんだ”って思ったけど、後々の幾原テイストになっていって(笑)」
・監督「最初は僕が全面ではなくて、”さいとうちほワールドにしよう!”ってことでやってたんですが、なんでこんなになっちゃったのかなあ〜」
→監督、のんきすぎ。
・(なんでさいとうさんを選んだのか?)監督「まず、ロマンとロマンチックは違うってのがありまして、ロマンは男性的なものであるが、ロマンチックは古いいい少女マンガによくある女性的なもので、そのロマンチックのイメージを絵で与えてくれるキャラを描いてくれるってことに注意しまして」
→長谷川さんもそうですよね。
・監督「ロマンチックを後ろにイメージして、広大なバックを見せてくれる、そういうインスピレーションを与えてくれるってことなんですよね」
・監督「でも、ぶっちゃけて言うと、ある雑誌の表紙の裸の男女がからんでいる絵を見て”これいいな!”って思ったからなんですが(笑)」
→そこら辺は18番なんでしょうか。ジャンルから遠い所にいますんで理解しにくいんですが。



●その4
・監督「で、後々そんなに知らなかったんですが、でもキャリアもあって売れているっているのを知って、とっても恐縮してそこからは”どうやって丸め込むか?”ってことになりまして(笑)」
・さいとうさん「アニメは初めてなんで、セーラームーン東映ってことで”どんなおじさまがくるんだろう?”って思ってましたら、こんな青年がやって来て、「野心的な作品にしたい!」ってことを話されて、でこんなに成長するのかって遠い目をしてしまいまして」
→”若い”って部分は監督との「今はね」「今も若いですよ」的会話あり。でも外見は全然変化していないんですよね。すこし怖いぞ。
・(キャラ設定について)監督「最初はメモとか電話で行って、後に合宿をしてさらに打ち合せをして」さいとうさん「かなり長い間やりとりをしましたよね。2転3転どころか、10転20転して行きましてキレかけたことも(笑)」
・監督「ウテナってのは企画段階では、眼鏡で短髪だったんですよ。つまりウテナがアンシーだったんですね。もじもじした少女が眼鏡を外すと長髪になって、”○○○○!”って叫んで。」
→”○○○○!”の中が思い出せなくてすみません。ゆるさんとかかな。(またくるゆるさん@松永みたいな)
・監督「その彼女に友人がいまして、それがウテナっぽい人だったんですね。つまりアンシーとは逆になるんですね。彼女が助けるってことになる」
・監督「でもさ、最初は痛快アクションものの予定だったんですよ(笑)そこから髪をゆっているアンシーが登場しまして。結果的には凄く試行錯誤したんですよ」さいとうさん「準備期間が特に長かったですよね」



●その5
・監督「で、主人公は王子様のみたいに見えなくてもいいのか?このままショートカットのままでいいのか?最初はウテナ自身もショートカットの予定だったのになんでこうなったのかなあ?」
・さいとうさん「それは、大月さんが”俺は長い髪の女が好きだ!!”って自分の好みを言ったからじゃないですか(笑)」
・監督「でも、主人公は女の子なのにショートってのはね。じゃあ主人公を男の子にすると男性は髪の毛を伸ばせないんですよ。男性ホルモンと女性ホルモンの関係で、伸ばして行くと途中から汚くなっていくんですね、現実世界でも。反対に女性は短くするとね。ビジュアル的に汚くしていいのか?利点的なビジュアルをなくしていいのか?って」
→ここら辺でちょっと書き難い一言あり。そこはやっぱりそうなんですかね(笑)
・監督「そういうことがありまして、王子様ってことではなく”王子様のコスプレをしている女の子が主人公”ってことじゃないのか?という所になって」
→ほんとにいいの〜?。
・さいとうさん「こんな感じて紆余曲折ありまして、マンガ編集者の文句はかわすってのは仕事なんで慣れているんですが、これには何度かキレかかりまして(笑)」
・監督「一番のどんでん返しはアンシーの登場からですよね。まあ何度もありましたが(笑)」



●その6
・監督「でもさ、”同性の子がお姫様になる”とか”その子と特別な関係になる”とかって、当時の俺はおかしかったのかも!!」
→うははは。自覚があるんじゃないですか(笑)
・監督「”こんなんで大丈夫なのか?”、”大丈夫なはずだろ?”、”いやいいはずだ!”、”いける!”」「そう、日曜夕方史上初の百合っっっっとじゃなくてアレアニメだ!!って思ったけど(笑)」
・監督「”こうなら行ける!”、”この表現なら行ける!”、”女の子が二人見つめ合っているけど行ける!!”っとかやっていたらさいとうさんが”こんなの自分の文法にはないよ!!”って(笑)」
・さいとうさん「当時は喧嘩になって、彼は引き蘢りになって、話してくれなくなって、人を通じてしか連絡がない時もありまして(笑)」監督「その頃はナーバスになってましたよね」
・さいとうさん「その頃は、監督が行けるってものには”ダメです”って言ってましたから」監督「僕はこう見えてもゆとりなんで(笑)」



●その7
・さいとうさん「女の子二人が夫婦になって、でもそこら辺の設定は秘密になっていて、後で大きな目で見ろって」
→喧嘩するほど、いい作品になっていくもんじゃないのかな?
・監督「その末に、さいとうさんと取引をしまして。”とにかく男の子はかっこよくする!”って。今まででも普通なのに」
・さいとうさん「なんか当時は”太陽を盗んだ男”の菅原文太みたいにする!っとか言ってまして、文太は我慢できないってことで(笑)」監督「そこで”取引をしよう。文太は諦める!”って(笑)」
・さいとうさん「そうしたら、なんか男性は長髪が多くなってしまって」監督「自分の中には男性の長髪はなかったんですね。今はそんなの普通だけど。なんでそうなったのか分からないんですが」
・監督「結果、出来上がりの絵を見て、”なんだいいじゃん。文太じゃなくてよかったじゃん”って(笑)」



●その8
・司会「ここから映画についてなんですが、ラストは〜皆さん見ていると思いますので〜二人が裸で見つめあっているってことなんですが」
・監督「すがすがしいよね(笑)そこは毎回見る度にそう思う!!まあ、ラストは揉めたんですよね。前までの案では、荒廃した外の世界に脱出してすぐに終了する予定だったんですね」
・さいとうさん「あれってどういう意味なんですか?最初から裸だったよね?」
・監督「スタッフからは”荒廃した廃墟、外の世界に進むってのはないとダメだ!”って言われまして。でもその時点では、映画の製作進行が破綻しかかっていまして、公開落ちるぞって緊張していた所だから凄く喧嘩になりまして”なにを言っているんだ!公開に間に合わないよ!”って」
・監督「だけど、その翌日になってみると”それはいるな”ってなりまして。ラスト一日でコンテ描きまして」「でも、その後にまた揉めまして。”バストアップを作画するのか?”って所で(笑)」
・監督「俺はいらないと。”ないとやだ!”、”ないと気になる!”、”逆にあると気になる!”とか。スタッフに今だに”あそこでないのが悔しい”って言っている人もいるし(笑)」
→”逆にあると気になる!”派かな。あのシーンで大事なのはそこじゃないから。
・さいとうさん「でも、なんでヒラヒラで隠すんですか?」監督「あると生っぽく見えるじゃないですか。なくて”キタ!”って思う人もいるってことで。やっぱりいまだに悩んでいるところなんですよ。あ!なんかの機会に描こうか(笑)。あるverとないverでやろうか」



●その9
・司会「これから劇場版を上映するんですが、ここを見てほしいってのは?」
・さいとうさん「色が奇麗なのとか、薔薇の花びらとかですね。音の入り方がかっこいいんですね。スタッフの所も何度見ても鳥肌が出ます。こんな大きい所で観賞する機会なんてなかなかないですから」
・監督「このリマスターの作業を3年くらいやってました。なもんで、ずーと見ていたんで客観的なものがないんですよ。今日も何人来てくれるのか不安だったんですが、こんなに来てくれて”幸せな作品だったんだなあ”っと」
→そう、HD-DVDでやっているらしい話から何年も音沙汰なかったからな。「セルと同じ色が出てる!」って話でしたもの。
・監督「この作品がどうしてこんなに好かれているのか、自分では分からないけど、なんかが得られるのかな?って。まあ、今後ともウテナをよろしくお願いします」
・監督「昔はステレオのみだったけど、音もよくなってますんで」



●劇場版見まして
・うん、理解不能ですけど面白かったです。奇麗だ。
・及川さんは悪い印象はないんですよね。最後の曲もそんなにダメじゃない。そこは仕方ないです。
・薔薇銀河のシーンがいいなあ。ここで泣きそうになるんだな。
・上映終了あとにちゃんと拍手がありました。そこはそうだ。
・上記でも書いたんですが、オフレコ的なものと判明したことが2点あります!「!」で分かりますよね?



●当日の看板

本日のスケジュールに注目。
ウテナAKIRA→パプリカ→パーフェクトブルー。今は何年だ?なんだそれ。



以上。



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