華より奇麗な人/2004年の東京事変/2012年の東京事変



「あそこにいる美人のねーちゃん観てみろよ」
と言われた事がある。音がガンガン鳴ってるうるさい箱だった。
多分、自分が肉眼で観た女の子で一番奇麗だったと想う。今までもこれからも。
声をかけた?酒とか奢ってやれば?そんな事出来るわけねーじゃん。バカじゃねえの。
うーん、でもなー、こんな機会はそうないしなー、とか考えていたら彼女はどこかに消えてしまっていた。
SPANK HAPPYのVendôme, la sick KAISEKIの歌詞みたいな事になったわけだ。
別にキスしたいなって想ったわけじゃないけど、話してみたかっただけなんだよな。


えーっと、最初に東京事変を観たのは何時だったかな。
答えは簡単、2004年のフジロック。この年だっけな、三日券のみしかチケッツ売らなかったのは。
最初は初日のホワイトのトリとかだったんだけど、なんだかんだでトリ前に移動になって。
ホワイトのトリ前とレッドのトリはだいたい同じ時間帯にやるんですよ。
そう、その時のレッドがスーパーカーがやってて。
正直に書くと今でもその二つが被ったらスーパーカーにしたと想うぐらい好きなバンドだったけど、アレはあまりにも人間味がない集団だったからな。
レッドのPA横ぐらいだったかな。その時に仲いい人と観てたら「おい、彼女が水着で唄ってるらしいぞ」って言ったんだな。
そんなの聴いたら、もうアレですよ。その場をダッシュで走りだすわけなんですよ。


レッドからホワイトじゃん。しかも夜だし30分近くかかるんですけど、なんか10分ぐらいかな。
途中の小川の橋当たりで「水着が!」とか言ってたら後ろの女の子の「わたし、さっきWOWOWのブースで観てましたけど、日の丸入ったワンピースでしたよ」とか教えられて、実際にステージまで言ったらその通りだったという(笑)
当時は音源も出してなくて最初の方はソロ曲の方をやってたらしい。そんで事変の曲をやるんだけどみんな知らないから棒立ちで。
「この曲は群青日和って言います」とか言ってたな。苗場の森の中は五月雨だったような気がする。折り紙の映像がバックに流れててさ。


ライブには「何回」か行った。チケッツ中々とれないし、ファンクラブに入るのもアレだし。
でもさ、会場で女の子達が彼女の名前を必死で叫ぶのだけは最後まで慣れなかったなー。
己の何かをステージの真ん中に立ってる人に投げかけているようで。


さて、今回の解散興行だ。ファンクラブに入っているわけじゃないので最後のcd買って抽選でございますよ。
小沢健二の抽選と同時期でこっちは当選したけで事変はダメだった。世の中上手く廻っているんですね。
2月28日前日武道館で29日がお台場のメディアージュでの映画館鑑賞。


28日はギリギリまで出る事が出来なくて慌てて走って九段下の坂を昇ったな。
武道館前まで来たら係員が「後5分で開演します!」とか言ってて焦る焦る。
っと想ったら目の前にケラさんと緒川たまきさんが居てビビる。貴方達も早く入りなさい。


チケッツには2階西側とか書いてあったけどドアを開けたら真っ暗でオープニング映像が流れてて(カラーバーだね)
最後に目撃出来ればどこでもいいやって感もあったので一番奥の立ち見席に。
さすがにそこクラスの場所だと彼女達の表情までは解らないけどまあいいや。


下からにゅーって彼女が出て来て相変わらずのメガホンで唄ってた。コーネリアスの初期みたいですよね。
うん、毎回そうだけどレコードでも何言ってるのか解り難いんだから現場で聴いたらもっと解らない(笑)
「うにゃうにゃうにゃ〜〜♪のにゅーーーーーー!!!」みたいな感じだからなあ。巻き舌の女王。
旗は一個も持ってないので振らない。でもいいバンドグッツですね。こんな手があったのかって。手頃な値段でみんな買うもんな。


事変は真ん中の子よりもその他のメンバーの上手さを聴くって方が主題でもあったりなかったり。
師匠の音が自分の場所まではあんまり届いていなかったのが残念。ホントに上手いのにね。
こんなバンドを聴くと「俺達ミュージシャンで」ってふんぞり返っている外国のバンドとか対した事ねえのいっぱいいるんだよな。


武道館は本当にびっしりと後ろの後ろまで満員でみんな旗を振ってたし、みんなこのバンドが好きなんだろうなあってのが感じられていいライブだった。
結構なインターバルがあると「お、衣装チェンジかー」とか「33歳であの衣装は何なんだ(笑)」とか
「雲さん相変わらずの男前っぷりだ」とか「紅白は事変として出たんだよなあ」とか色々考えていた。


まあ、そんなわけで最後の目撃は終わった。
正直に書くといい曲ばかりってわけでもないのですよ。特に一番最後のアルバムなんて微妙だった。
その中で本当にいいものが何点かあるから好きになったんだな。


グッツは買わないで帰る。坂でプロマイドを売ってる売店があった。懐かしい写真ばかりだ。
「いい曲作ってもある程度以上は売れない。売れるためには顔も良くないとダメだってシャングリラ作ったときにしみじみと解ったよ」と言ってたのは石野卓球さん。


で、29日はお台場まで言って生中継観賞だ。平日のお台場のあそこら辺はマジでゴーストタウン。人いなすぎで超恐えー。
開演前に会場内が映った時に「いいなー」って声が出たのが全てかもしれない。
淡々と観たんですけど紅いドレスで出た時には歓声が上がったし、細かく書かないけどアレもちらっと見えたりもした。dvdじゃカットだわな。
技術的な問題か知らないけど音が悪かったのが残念。別にいいけど音量をもう少し上げろと。


まあ、これからソロか何かしらのユニットを組むか知らないけど、死んだ訳じゃないし、その時々のライブで事変の曲もやるんであろう。
だからまあそこまでアレでもなかったというか。
小室哲哉が「TMNは終了です」(甲高い声で)ってのと同じだ。いや違うか。



タイトルの意味はアレだ、頭に華を乗っけてたんですけけど、それよりも奇麗な人だったな、って事です。
いい感じでおばちゃんになってきたしね。
活動を続ける限りは曲を聴いて行ければいいかなっと。


そうそう、これ書いておかないと。
武道館でのライブの最後の最後に「感無量です」と彼女が言って。
それから旗で顔を隠して泣いきながら唄ってたんですよ。
それが観れただけで良かったのかなっと。


東京事変 Live Tour 2012 Domestique Bon Voyage
日本武道館

1.生きる
2.新しい文明開化
3.今夜はから騒ぎ
4.OSCA
5.FOUL
6.シーズンサヨナラ
7.海底に巣くう男
8.怪ホラーダスト
9.ほんとのところ
10.sa_i_ta
11.能動的三分間
12.修羅場
13.絶体絶命
14.アイスクリームのうた
15.おいしい季節
16.女の子は誰でも
17.御祭騒ぎ
18.天国へようこそ
19.タイムカプセル
20.電波通信
21.閃光少女
22.勝ち戦
23.キラーチューン
24.空が鳴っている

25.丸の内サディスティック
26.群青日和
27.青春の瞬き

28.透明人間